あなたに恋をしたらダメですか?
「ちょっと、やめてくれる?」
「陽悟さんっ、」


心の声が届いたのか、陽悟さんはジュースを二つ持って現れ、一つを私に渡してくれた。


「陽悟さん?…って、陽悟か!」
「あぁ、そうだよ。咲世ちゃんが声かけられてると思って来てみれば、竜哉(たつや)とか勘弁してよ」


え?え?なに、二人って知り合いなの?!類は友を呼ぶってやつですか…?


「えー?陽悟、お前女の趣味変わった?」
「…べつに」
「いや、絶対変わっただろ!お前だって、いかにも〝ヤりたいです!〟っていうような女連れてんじゃーん」
「黙ってくれる?」


……やっぱり私って、眼中にもないんだろうなぁ、とチャラ彼の言葉にショックを受けた。


「ねぇ、キミ。あんま男経験ないでしょ?」
「えっ?!」
「あ、やっぱりー。陽悟は、やめといたほうがいいよー?ヤられて終わるのがオチ。だから、俺にしない?」
「おい、竜哉。いい加減にしてくれる?俺らデートしてんの、消えて」


やっぱりそうなのかな…。このまま好きでいても、ヤられて終わるのがオチなのかな。


私が唇を噛んで二人を見ていると、チャラ彼は「はいはい、邪魔者は消えますよ〜」と、私たちから離れた。


その際にボソッと耳元で「(気が変わったら連絡ちょーだい)」と、持ってた鞄に紙切れを入れられた。


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