あなたに恋をしたらダメですか?
これはどうしようかと悩んだけど、家に帰ってから捨てればいいか。と、陽悟さんには何も伝えずにいた。


「お知り合い、だったんですね?」
「あー、ごめんね。嫌だったでしょ、あいつ」


どっちかと言えば、チャラ彼より陽悟さんのことでショックを受けているのですが…。


「大丈夫?何もされてない?あいつ、すぐ女の子触るから」


そう言う陽悟さんも、すでに腰に手を回しているのですが、これはいいのでしょうか…。


「私は大丈夫ですよ。それより、ジュースありがとうございます。チケット、」
「あ、チケットも買ったから行こう」
「えっ?じゃあ、お金。待ってくださいね」
「あー、いらないよ。ここは俺が出すから、ほら行こう」


だから遅かったのかと、その場で納得した。でもお付き合いもしていないし、お友達でもないのに、そんなことしてもらうなんて、申し訳なさすぎる。


もしかして、お金出す代わりに「身体で払ってもらうよ?」なんて言われたり……しないよね。


陽悟さんは私のことタイプじゃないんだから、そんなこと擦りもしないんだろうな。


そう思うと、やっぱり悲しくなった。


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