あなたに恋をしたらダメですか?
「いらっしゃいませ、って、なんでお前も一緒に入ってくんだよ」
「えー、いいじゃないですかぁ。せっかくお客さん連れて来たのに」


ブリーズに入ると同時に、もう一人の店員さんの声がした。けれどもそれは、すぐに声質が変わりビビってしまう…。


そして、そんな声にも動じず彼は、ヘラヘラした態度でその人に立ち向かった。


怖く…ないのかな…?もう、慣れちゃったのかな?


「とりあえず、着替えてこい」
「はぁーい、じゃあまたね?」
「あっ、はい!」


あー、行っちゃった…。まぁ、これからお仕事なわけだし、仕方ないんだけど…。でも、もっと一緒にいたかったなぁ。


「お客様、お席御案内致します」
「あっ、はい」


彼のことを色々考えていると、さっきの怖い店員さんに声をかけられ、またビクついてしまった。


「あの、つかぬ事をお伺い致しますが、あの男とはどのようなご関係で?」
「えっ、どのようなと言われましても……」


案内された席に座ると、彼との関係を聞かれたんだけれど…。関係だなんて…なんて答えたらいいんだろう…。


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