鳴海くんの特権




俺は、気づいた時には先輩の唇に自分のそれを重ね合わせていた。名残惜しくなりながらも、先輩の唇から離れ、鼻と鼻が触れそうで触れない距離で先輩に言葉をかける。

「先輩。俺のこと好きなの?」


「っ…!な、なんでっ……寝てたんじゃっ……ていうかっ……キスっ……!!」


「起きてた。そんな事より俺の質問に答えて?俺のこと好きなの?」


待ちきれない。早く俺のものにしたい。でも、先輩からもう一度聞きたかった。俺の目を見て、俺に、ちゃんと言って欲しかった。


「……す、好き…だよ……」

「俺も。俺も、先輩のこと好きだよ。もう、閉じ込めちゃいたいくらい。」


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