窓ぎわ橙の見える席で


「今度、おばあちゃんのお墓参りに一緒に行かせてくれない?」


話の流れをぶった切るようにそんなことを言い出してきた辺見くん。
私は当然、面食う。


「い、いいけどなんで?」

「おばあちゃんのご意見を伺おう。それが一番手っ取り早い」

「………………ねぇ、それってどういう意味?」

「だから、おばあちゃんに会いに行こうって言ってるだけだよ?」


いきなりホラーなのやめてくれないかな。
私、虫だけじゃなくて心霊系も無理なんですが。
何故か頭の中で足のないおばあちゃんが辺見くんと縁側でお茶をすする姿を想像してしまった。
オーマイガー、成仏しておばあちゃん!


どこからどこまでが冗談で本気なのか分からないまま、私は辺見くんの車を降りて彼に手を振った。


もしかして、まだまだ彼には謎があったりして……と少し不安になってしまった。













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