窓ぎわ橙の見える席で
てらみが言っていた通り、家に帰って親に確認したら確かに私宛に同窓会の案内状が届いていた。
数日前の新聞に紛れて捨てられそうになっていたことをお母さんが必死に隠そうとしていたけれど、そんなのはどうでもいい。
真っ白いシンプルな封筒から中身を取り出すと、返信用ハガキと一枚の便箋。
便箋には同窓会のお知らせが印字してあった。
詳しい日時や場所、会費の金額と、出欠確認。
出欠に関してはハガキで当時の生徒会長宛に返信を必ずするようにと書いてあった。
ホテルの立食パーティーか……。
果たして本当に辺見くんが来てくれるかどうか。
そもそもアレよりマシな服って持ってるのかな。
いくらなんでもあの服で同窓会に参加するのは、TPOをわきまえてないよね……。
どうにか騙してでもヤツに新しい服を買わせるしかないか!
どうしても参加したくないと言われたら、美味しい料理が食べられるのだと言えばホイホイついてきそうな気もする。
高校時代とは住所も違うし、もしかしたら辺見くんの住んでいるところへは同窓会の案内状が来ていない可能性も高い。
明日にでも彼にこの件を伝えてみよう。
そんなことを思いながら、私は案内状が入った白い封筒をいつも持ち歩いている肩がけのキャメルのバッグに投げ入れた。