窓ぎわ橙の見える席で
「褒めてるんだから怒らないで〜」
「人をなんだと思ってるのよ!観察の対象物じゃないんだから!」
「綺麗な人だなーって思ってるよ?」
「うるさいっ」
どの口がそんなセクハラを言うんだか!
力任せにもう一度ヤツの肩をバッグで叩く。
もはや恥ずかしさを隠すための行為でしかないのは、自分でも薄々感じている。
叩かれた肩をさすりながら、辺見くんは楽しそうに笑うのだった。
余計な一言を付け加えて。
「ちょっと色々と触りたくなっちゃったよ」
━━━━━はいっ!?
もうこの時の私の頭は沸騰しており、恥ずかしさと怒りが同時に押し寄せてきて。
気がついたら辺見くんの頬をビンタしていた。
でも、彼は笑っていた。
なんなの、この変態くん。