あの日、私は兄に誓う
集会の場に着くと、博明さんしかいなかった。

えっ?参加しろって言われたから来たのに…何で博明さんだけ?

私の堅い頭ではわからない。

「博明さんなんで?」と私が言うと、いきなり抱き締められた。

へ?どーゆうこと?

「ゴメン。しばらくこうさせて…」って

博明さんどーしたんだろう…。

しばらくして…

「卒業したとたんに急に不安になった。お前と一緒に過ごせなくなるような気がして…」と博明さんは言う。

どーしたの?らしくない。

「らしくないですよ?」と私が言えば、

「お前に想いをを寄せてる奴も多くいる。お前がいじめられたり、苦しんでるときにすぐそばで守ってはやれない。もちろん、たまには一緒に帰れても毎日とはいかない。そんなときにもしお前に何かあったら…と思うと、苦しいんだ」と博明さんは言った。

よーするに、心配で離れたくないってこと?

気持ちは凄く嬉しかった。けど…私は学校は辞めれない。

なんて答えていいか、わからなかった。

「光も先輩もいるし…大丈夫だよ。私は…」と私はムリに笑ってみた。

先輩は私のことを知っている。けど…私だって正直不安が無いわけではない。

またいじめられたらどーしよ…とか思うときある。

今までは会長に守られてきたから…

そんな会長がいない…それだけで心が苦しくなったりする。

でも、私には夢がある。お兄ちゃんが残した『永遠』でNo.1になること…。

それを叶えるには私はとりあえず、ここを卒業しなければならない。

大学にだって行きたいし…。

出来れば会長と同じ大学。会長にはまだナイショだけどね。

私が私であるために…。

博明さんならずっとそばにいてくれると思う。だからこそ、私はお兄ちゃんに誓って総長になった。

だからこそ、私はNo.1にならないとやめられない。

「ずっと離れたくなくないんだよ…」と切なげに言う博明さん。

私は何も言えず、ただ博明さんの背中に手を回した。

私だって…離れたくないよ?

とは言えなかった。

博明さんに思いが通じてほしい…ただそう思う。

博明さんはわかってるんだ…きっと。

この日、ナゼか私たちは二人だけで過ごした。
< 10 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop