あの日、私は兄に誓う
その日の放課後ー

信都さんが教室まで迎えに来てくれた。

「俺、パフェとかの甘いもの食いたいから付き合って?」って。

「いいですよ~けど、いきなりどーしたんですか?」と私が聞くと、

「あの人が留年したくないならいい加減本腰入れて勉強しろって言うから…始めたはいいけど、頭いたくて…疲れた」と言った。

なるほどね。高見さんに言われたのか…。

確かにね。私も最近イライラしてたから息抜きしたかったしちょうどいいかもね。

「私もそんな気分ですー」と私は言って私たちは教室を出た。

私たちはカフェでティータイムをした

くだらないことを話ながら、ティータイムを楽しんだ。

店を出ると、辺りはうっすら暗くなっている。

「家まで送るよ…」そう信都さんは言って、家まで送ってくれた。

お互いに並んで歩くだけで…特に会話はしなかった。

そしたらいつの間にか、家に着いていた。

「じゃあ…また明日…」そう言って信都さんは去っていった。

はぁぁ、何だろう…このもどかしい感じ。

信都さんと一緒に過ごすのは凄く楽しい…けど、少し寂しさを感じる、

ねぇ、お兄ちゃん…この感情は何?

私は家に入った。

ただいまー

お帰りーって迎えてくれるお母さんとお父さん、そしてナゼかウチの食卓に馴染んでいる、博明さん。

「先飯食ってるよー」って、何普通に馴染んでんのよ!!

勝手に家族ぶって…と思うけど、特に否定はしない。

私は手を洗って、席に着いた。

「もうすぐテストだな?勉強はかどってんのか?」と聞いてくる博明さん。

もぉ、お兄ちゃんみたいなこと言わないでよね!

「博明さんと違うんだから…私は真面目に勉強してますよ!」と私が言うと、

「こら、香そんな言い方しないの!!心配してくれてるんだから」とお母さんは言う。

まぁ、そうなんだけどね…

「学校はどうなんだ?」とお父さんは聞いてきた。

「博明さんが卒業してポッカリ穴が空いたみたいだったの!!けど、最近やっと少し落ち着いたわ」と私が言うと、

そうか、とお父さんは一言言った。

けど、博明さんはなんか言いたそうな顔をしていた。

「最近いじめられてるって光から聞いたけど…?」と博明さんは言った。

「何?いじめられてるのか?!」とお父さんは大袈裟にリアクションする

「うん…もう連絡いってんだ…」と私が言うと、「そりぁな、すぐ連絡しろ!!って言ってるからな~」と博明さんは言った。

「大丈夫なの?辛くない?」とお母さんは聞いてくる。

「全然平気だよ。何ともない。いじめくらいでへこたれるようなメンタルじゃないから…心配しないで」と私は笑ってみた。

「ムリすんなよ」と博明さんは言った。

そして和やかな食事を終えると、

「なぁ、少し夜風にあたりながら散歩でもしないか?」と博明さんは声をかけてきた。

私はお父さんとお母さんの顔を見ると、

「行ってらっしゃい」と言ってくれた。

「うん、じゃあ博明さん、少し待ってて。すぐ着替えてくる」と私は言って急いで自分の部屋に着替えにあがった。

何着ていいか、正直わからなかったが、特効服ではないことだけはわかったから普通の格好にした。

階段を降りると、すでに待っていてくれた博明さん。

私たちは家を出た。
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