あの日、私は兄に誓う

翌朝ー

いつものように、準備して家を出た。

信都さんは今日も迎えに来てくれている。

「おはようございます。お待たせしました」と私が言うと、

「おう」と一言言って歩き出した。

私は置いてかれないように、横に並んで歩く。

下駄箱の所で声をかけられた。

光…じゃない。

先輩方だ。取り巻きの…

怖い…どうしよ…私は後ずさる。

「毎日一緒に登下校…邪魔してくれるね？」って。

嘘でしょ？！私、殴られるの…？

目をつぶろうとしたとき、ダンー

一際デカイ音が響いた。

「はぁ、セーフ？あれ、香何してんの！間に合わなくなっちゃうよー」と光が現れて…私の腕を掴む。

そしてそのまま、引っ張られるようにして教室に着いた。

「ありがと…実はちょっと怖かった！」と私が言うと、

「いーえ、無事で何より」と笑ってくれた。

『こんなことくらいしか出来ないしね』と小さな声で言ったのを私は聞き逃さない。

授業は普通に始まり、終わっていった。

ー昼休みー

食堂でご飯…と思って光と廊下を歩いてると、いきなりぶつかられた。

いったぁ、私はよろけてこけそうになった。

というより半分こけた。

「てめぇ、どこ見て歩いてんだよ！」と理不尽にキレられる。

はぁ？ぶつかってきたの、そっちでしょーが！！

ｸｿ、1発かましたい…

けど、学校だし、暴れられないよね…

「姫？！大丈夫ですか…？ケガは無いですか？」とウチのチームのメンバーが駆け寄ってきた。

「うーん？まぁ大丈夫かな？ちょっと肩痛いくらいで…」と私が言うと、

「てめぇ、姫に何てことを…」と殴りかかりそうになってるメンバー。

「ありがと…いつも心配してくれて。大丈夫よ！」と私は笑った。

「いえ、そんな。俺はただ姫が…」と言うメンバーに、

「ホントにありがと」と私は言って彼の元を後にした。

食堂に着くと、すでにすごい人…

ため息をつきながら、列に並んだ。

「どけ…」と割り込んでくる先輩…

わざとぶつかってくるたちの悪い先輩…

相変わらず、どいつも、こいつもめんどくさいわね！

思わず足が出そうになった。

「コーウ」と呼ばれて振り向くと、信都さんがいた。

「席取っとくから…」と言って去っていった。

と言っても、ホントに大人しく普通に席取りしてくれてるんだけど…。

なんとか食事にありつけたんだけど…

相変わらずたちの悪い先輩からのいじめ…。

正直疲れてきた…。けど、信都さんがいる手前、そんなこと言えない。

笑顔で信都さんとの食事を楽しんだ。

信都さんはいきなり、「ゴメンな」と謝ってきた。

なんで…いきなり？と首をかしげてると、

「俺のせいでイジメ受けてるだろ？」って。

えっ、バレてないと思ってた…。

気づかれてたんだ…。

「ほんと…ゴメン」って、そんな顔しないで下さいよ！

必死で堪えてたのに…涙出てきちゃいそう…。

「…先輩が悪いわけじゃないですよ？私がこーゆう性格だから」と私は言ってみた。

「どーしてやることも出来ないのが正直辛い…。せっかく香と仲良くなれたのに…これが原因で離れるとか、嫌だし…」と信都さんは言ってくれた。

「大丈夫ですよ！先輩がそう言ってくれただけで、頑張れます。元々イジメなんてｸｿ食らえですもん」と私は笑った。

光も隣で香らしいと笑ってくれた。