あの日、私は兄に誓う
ある日、私は学校の廊下で一人の男子に捕まった。

学校では、真面目な優等生を演じてる私。男子は苦手なフリをして逃げようとしたんだけど…

「おい!」っていきなり肩を掴まれた。

思わず手を振り払いそうになった。けど…我慢して耐えた。

「何でしょうか…?」どこか震えてる自分の声…。

怖くてたまらない。

だってこの人…威圧感ハンパないだもん。

見るからに俺様だし…初対面!?に近いのにめっちゃ睨まれてるし?

後からわかることなんだけど…彼、同じクラスだったの。

「ちょっとこい!」と腕を引っ張られて連れてこられたのは…屋上…

って、何で屋上!?

彼は地べたに座りながら私に横に座るよう指示した。

「同じクラスなんだけど…改めて自己紹介ね。俺は掛川光…」と彼、光は言った。

「…綾野 香です」と私は挨拶した。

「知ってる。うちのNo.1だもん。成績優秀、アベレージ90を誇る奇才…けど、まさか裏の顔が暴走族の総長だったなんてね。」

何コイツ…何で知ってるのよ!?

私は無意識に睨み付けた。

「ゴメン!そんな睨むな。その…何て言うか…キミに興味がある…」と光は言った。

はぁ?興味があるって何?意味わからないんだけど…

私の眉間のシワは更に深くなる。

「俺は…暴走族、『danger black』の総長をしている。この辺一帯は族の聖地ってくらい多いんだ。そこでは激しい族狩りも行われてる…」って。

あぁ、なるほどね。そーゆうこと…。

「俺は…『永遠』の前総長に守られたことがあってな…いつか、お礼をしたいと思ってた。なのに…何も出来ない間に殺られちまって…俺も悔しくて苦しくていたたまれない。だから、俺はキミとキミらの族を守りたい。だから、バラさない代わりにウチと同盟を組まないか?」と光は言った。

嘘…!?お兄ちゃんが助けた人ってこと…?

すぐには決められない…。どーしよう。

「時間もらえますか?私は総長と言っても肩書きに過ぎない。No.2に相談させて欲しい」と私が言えば、

「もちろんだよ。いい答えを待ってるよ…」と光は言って、屋上を出ていった。

一人取り残された私はしばらく動けずにいたが、予鈴がなり、慌てて教室に帰った。

授業を受けながらも考えるのは…さっきの話。

光の寝顔?を見ながら必死に思考を働かせてみる…。

ダメだ…けど、答えなんて出ない…。

お昼休みー

私は博明さんのところに行った。

学校では、博明さんは良き先輩。お兄ちゃんの大親友ってこともあり、妹のように大事にしてくれている。

天気が良いから外で食べようって話になり、お弁当を持って二人で中庭に来た。

この学校はいわゆる私立ってやつで…校舎のデカさとかもハンパない。

食堂もデカくてメニューも充実している。

なのにナゼか私たちはお弁当…。

「相談…?」と博明さんは言う。

私は光の話をした。「マジ?いいんじゃね?けど…俺に決定権無いからね?最終的に決めるのは、キミだよ…」と博明さんに言われた。

だよね。私は一応総長として族の頭なわけで…

うん。それでいい。私は博明さんと顔を見合わせた。

「大丈夫!心配しなくても。誰もキミに逆らったりしないよ。誰よりも族のことを考えてくれてるんだもん…」と博明さんは優しく頭を撫でてくれた

たったそれだけで、何となく大丈夫な気がした。

「…たまに裏切られることもあった。けど…大丈夫な気がするんだ。これからは…というより、その子に会わして。俺多分知ってるでしょ?」と博明さんは言って、私は頷いた
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