あの日、私は兄に誓う
「何に対してよ?俺、今になって思うんだ。辛そうな香を見て。何であん時本気出してやらなかったんだろう?って。お前の話を聞くたび心が傷つくんだ」と光は辛そうに言った。

いつもの、大好きな光スマイルはなかった。

「まあ、今更言うても仕方ないからね。二人ともそれなりに頑張って!」とノギリンは言った。

「…ごめん」と今度は光が謝った。

私は笑って「大丈夫だよ。光はいつもそばにいてくれたもん」と私は言った。

しばらくして、帰ることにした私達は生徒会室を後にして歩き始めた。

会話なんてほとんど無い。それでもお互いのぬくもりを感じる。

結局そのまま家まで送ってもらって中に入った。

いつものように博明さんはいてくれて。

「お帰り~」と声をかけてくれた。

「ただいま~」って何故か私も当たり前のように返していて。

ご飯を食べると私は部屋に入る。

机に向かうと涙が溢れてきた。理由はわからない。

信都さんに逢えない辛さ?それとも、今日の光とのこと?ううん、それ以前のことかもしれない。

涙は止まらず、机が濡れていく。机に飾られたお兄ちゃんはいつも笑っていた。

なのに、それさえも今は辛くて。

しばらく泣き続けた。ふと、ドアが開いた。そしたら私、抱き締められていた。

抱き締めてくれているのは博明さんだ。

理由は聞かない。それでもただ優しく抱き締めてくれている。

「泣きたいときはいつでも泣きな。我慢はしなくていいから。俺がちゃんとそばにいてやる」って。

やめてよ。信都さんにもそんなこと、言ってもらったこと無いのに。

博明さん、私好きになっちゃうよ?

「話してみ?何があったのか…」しばらくして私の涙が止まったのを確認して離れた博明さんは私にそう言った。

私は今日のことを伝えた。

「よく頑張ったな」と頭を撫でてくれた。

「もう大丈夫か?明日からテストだろ?俺、帰るから。頑張れよ」と博明さんは言って帰っていった。

私は気合いを入れ直して、テスト勉強をした。

翌朝ー

光は迎えに来てくれた。私達は学校に向かいながらテストの話をした。

クラスが違うため、教科が違うらしい。

お互いの健闘を祈りあった。

はあぁ、ついにテストか。私達はそれぞれ教室に入った。

テストが始まるー

まあ、さほど難しくない問題にサクサク進めていく私、あっという間に終わってしまった。

見直しを何度しても、時間は余ってしまう。なので私は机に伏せて目をつむった。周りのカリカリ書く音が私の神経を刺激するが。
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