あの日、私は兄に誓う
「苦しかったろ?大丈夫か?」と優しく聞いてくれる博明さんだが、どこか、辛そうだった。

「大丈夫‼これくらい…」私はそう言って笑顔を作った。

「無理に笑顔は作るな!」と博明さんは言った。

しばらくして、博明さんは去っていった。

私はため息をついた。

お風呂に入ってそのままベッドについた。

今日はもう動く気になれないので、夜の活動はお休みする。

翌朝ー

日差しに照らされて目を覚ました私は何とか起きあがり、準備をした。

今日はいつも通り家を出る。変わらない日常?に戻ったのだ。

「おはよー」と朝から満面の笑顔で迎えてくれる光。

「おはよ」と私も普通に返す。

くだらないことを毎日言い合って過ごす楽しい登校時間。

グランドに着くと、生徒会メンバーが現れるため、光は気遣いいつも先に行く。

『夏休みの活動内容について』を横で話してくれてるんだが、あんまり私は聞いていない。

てか、夏休みだよ?活動すんの?とか思ってた私。

これからこの考えが甘いことに気づかされるー

ハアァ、教室に近づくにつれ、私の気分は落ちていく。

よしっ!私は自分に気合いを入れ直して勢いよくドアを開けた。

「おはよー」と声をかけてみる。

返ってくるのは挨拶ではなく、いつもと変わらない突き刺さるように痛い視線。

まあ慣れたけどね!私は平静を装って自分の席についた。

私はさっき渡された資料に目を通しながら、考えるふりをする。

こうでもしないと気が紛れない。

しばらくして、担任が入ってきて、HRが始まる。

そのまま普通に授業は始まる。

確かに皆真剣なのよね。正直、やる気無さそうにしてるのは私くらい。

そりゃ、浮くよね?でも、できちゃうんだもん。授業つまんないし!

早く終わんないかな~

よっし、終わった!次は体育。楽しみにしてた。

けど…何で個人種目じゃないわけ?

まあ、いい。もうすぐ夏休みだし。

何とか苦痛の体育も乗りきって、無事、お昼休みー

廊下に出ると、いきなり、肩をぶつかられた。

まただ。最近よくぶつかられる。

この人は何を目的にこうも私にぶつかって来るのだろうか。

私は何も言わなかった。そして相手も何も言わない。

ただ何も言わずに去っていく。

それが苦しいのだけど逆に…。痛みもさほど感じない強さだしね。

私は茫然とその人の背中を見送った。

ふと、光に声をかけられた。

「…どしたの?遠く見つめて…」と光は言う。

「あの人、またぶつかってきたのよねー。私に何か伝えたいことがあるのかしら?と思って…」と私が言うと、少し考えたように間を置き、「調べるか?」と光は言った。

私は頷いた。そして、私たちは食堂に向かった。

食堂に着いて、ご飯を食べ始めた時、

「センパーイ、隣良いですか?」と現れた後輩君。

「あら、あなた…」と私が言うと、嬉しそうに横に座ってニコニコしながら私を見てきた。
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