あの日、私は兄に誓う
その日から私は忙しく走り回ることになった。

夕方ー

皆を徴集した私は皆の中になっている。

「今日は皆に報告があります。今までたくさん迷惑かけて支えてもらったのに、最後までわがままでごめんなさい」と私は深く頭を下げてから、想いを話始めた。

「皆と過ごした時間はかけがえのないものでした。初めて皆に出逢ったとき、初めて想いを伝えて、総長として認めてもらえたとき、皆で守りきったNo.1の称号。どれを取っても自信を持てる行動だった。そう思ってます。兄の夢も叶い、私もそろそろ卒業するときが来たのだと思います。永遠は本日をもって解散を宣言します‼」と私は言った。

皆複雑そうにうつむいていた。

「永遠を解散しても、私たちの関係はかわらず続くと信じています。なので、最後にもう1つだけ、私のわがままに付き合ってください!」私はそう続けて頭を下げた。

皆は姿勢をただした。

「ウチの学校でまたブツに動きがあるらしい。今度は葉っぱの方。情報を集めたい。お願いします‼」と私は頭を下げた。

一番に反応したのは光だった。

「お前ら、いいか。総長が俺らに頼む最後の仕事だ!思いきり気を引きしめて、気張れ」と光は言ったのだった。

全員一礼をし、はい!と強く返事した。


そして、皆は解散を受け入れながらも、情報収集に動いてくれることになった。

私はそんな仲間を見て誇らしげに思った。

私たちはそのまま解散し、それぞれの道を歩むことになった。

翌朝ー

私は葵さんに連絡してみた。

相談にのってほしいと。葵さんからはすぐに返事が来た。

高見さんも心配だから一緒に行くとのこと。

三日後ー

葵さんは高見さんと一緒に迎えに来てくれた。

私は話した。ブツについて。

「あ?で、俺に協力しろと?冗談じゃねぇ‼」と葵さんは言ってきた。

「不良に疎通してんなら彼氏に頼めや‼俺関係無いやん!」と言われてしまった。

確かにその通りなんだけど…

関係無いからこそ、お願いしたい!と私は必死に頭を下げた。

「しゃぁないなあ。じゃあ当面は付き合ったる。けど解決したら、それなりのもんは貰うで?」と言ってきた。

何処が不良じゃないよ!しゃべり方とかヤンキーまんまのくせに。

「そんな言い方せんでもええやん。お前ってほんとに…素直じゃないね」と高見さんはつっこむ。

「口調、ヤンキーまんまですよ?」

で、私は思ったことをすぐに口に出してしまう素直さ(笑)

「あ?暴走族の総長に言われたくないね‼」と言われてしまったが私は引かない。

「それより、対策考えろ!前と同じようなことすんだろ?」と高見さんは言った。

「誘き出すなら、仮のブツがいる。それはこれを使うといい」と葵さんはとあるものを出した

これは?と聞くと、「ドライハーブだ。ブツに一番近い」と言った。

これなら使える!私はそう確信した。

けど、恋人がいるのに葵さんに恋人演じてもらうのは気が引けた。

けど、彼氏には内緒にして、ことを実行することにした。

「ありがとうございます‼これなら行けそうです。あ、高見さん、彼には内緒にして下さいね!ばれたら傷つくと思うので」と私が言うと、頷いてくれた。


数週間して大体の情報が集まった。

けど、私の様子がおかしいと私の恋人はすぐに感付く。

今は言うわけにはいかなくて、ごめんなさいとだけ言って逃げるようにことを遂行することにした。

季節は冬になり、街はイルミネーションが輝く。

クリスマスは彼氏と一緒に過ごしたい。

どうか、それまでに解決しますように!

私は葵さんと一緒にとある場所へと向かった。集めた情報を元にブツが出回ると噂が立つ場所。

私はドキドキしていた。相手はウチのOBだと思われる。私の顔はバレてる可能性が高い。だからこそ、彼氏ではなく、無関係の葵さんにお願いしたのだけども。

絶対に感ずかれてはならない。

味わったこと無いスリルに思わず身震いする。

そんな私を『大丈夫か?しっかりしろ!俺らなら上手くやれる』そういって声をかけて、手を握ってくれた葵さん。

私は心を決めた。私は葵さんのを目をしっかり見て、大きく頷いた。

目的地に着くと、思った以上に薄暗い。街頭も少ない公園のようだった。

不良っぽい人達の集まるような場所のようだ。

葵さんに繋がれた手からは温もりと緊張が感じられた。

でも、ポーカーフェイスを貫けるから葵さんはスゴい。肝が座ってるのかしら?ビビっては無いよね?むしろ楽しんでる感じ?

とりあえず散歩と称して公園内を二人で歩いてみる。

他愛なく、それなりの恋人間を出しながら。

ふと、一人の男性が近づいてきた。

そして声をかけて来た。

灯りの方に誘導するとブツを見せながら、饒舌に進めてきた。

最初私たちは少し話を大人しく聞いてあげる。

先生を通して、バックにはサツを従えてる私たち。

1つだけ買ってモノが何なのかを鑑定にかけると話をつけている。

もし、ホンモノのブツが動いてるのであれば、もちろんリスクが大きすぎる。

サツにお願いしなければとうてい私たちだけでは追えない。

だからこそ、真相を確かめるため、こうして今作戦を実行している。

私は気づかれないように、ICレコーダーのスイッチをいれた。

実はこのICレコーダーは、ボールペン型でカメラ機能もついてる、優れもの。

サツから色々アドバイスを受けて準備したものだった。

葵さんは気遣ってか、私の手を離さないでいてくれた。

「で、買ってみる気になった?」と声をかけて来た。

そして私たちの手は離れた。

「うーん。じゃぁ、1つだけ」と悩むような素振りをして、葵さんは言った。

「よっし!乗った!で、いくらなら出せる?」と言ってきた。

なるほどね。相場はあるものの、金額交渉も行う訳か。

私は葵さんを見つめた。

「これでどう?」と1000円を出した葵さん。

妥当なはずだ。けど、場合によればぼられる可能性もある。

が、学生相手にそこまでヤワなことはしないだろうと判断のもと、1000円にした。

あっさり受け入れてもらい、取引成立。

去っていく男を見送り、ICレコーダーを切ると私たちはその場を後にした。

帰りもを葵さんは私の手を繋いでいてくれた。

「いい感じだった。もう少しだな。とりあえず、これはサツに回して中身を調べて貰う。そのあとだな」と葵さんは笑ってくれた。

私たちはもう少し、偽恋人を演じなければいけない。確実に解決するまで。

でも、葵さんは文句も言わず、付き合ってくれている。

私は家まで送ってもらい、家に帰った。
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