あの日、私は兄に誓う
博明さんが心配してくれた。

全てを知ってる博明さんは偽の恋人も見守ってくれていた。

翌朝ー

私はノギリンを生徒会室に呼びだし、ブツを渡した。

ノギリンはそれをサツに回す。

私はICレコーダーを証拠にと預けた。

数日後ー

結果はでた。ホンモノだった。

ノギリンはすぐに証拠としてICレコーダーを提出。

後はサツに任せるしかなかった。

更に数日後ー

証拠を元に捜査を開始してくれた、サツ。

サツから私と、葵さんは呼ばれた。

現行犯でしょっぴきたいからもう少し協力してくれとのこと。

現行犯となると、ブツが動く瞬間か、もしくは、殴られるかのどちらかよね?

けど、こちらが返してしまえば、意味がない。

正当防衛を主張するには?

そんなことを考えてたけど、サツは言い出した。

ヤツがブツを出した瞬間、取り押さえる。と。

「最悪の場合に備えて、アレは準備しておこう」と葵さんは言った。

私は頷いた。アレとは偽のブツのこと。

そしていよいよ迎える決行の日。

クリスマスを控えた2日前で、街はすでにクリスマスモード全開だった。

私たちと葵さんは例の場所に向かった。

普段は薄暗いこの公園も、多少クリスマス感を出していた。

気を引き締める。私の緊張をほぐすかのように、葵さんは私の手を優しく包み込んで来る。

サツの準備も整った。

さてと、今回は私たちから声をかける。

「また売ってほしいの?」と笑ってくる。

「はい…」と私は言って目配せをする。そして、その男の背後からゆっくりサツが近づいてくる。

そして私がブツを受け取った瞬間、サツが思いきり締めた。

が、暴れる男

「ざけんなぁ~」と騒ぎまくって、足をバタバタさせている。

「大麻所持で現行犯逮捕する」とサツが言うと、

「俺はそんなの知らなかったんだぁー!!」と往生際の悪い男。

「大人しくしろ!」と別のサツが前に立つといきなりサツを蹴りあげた。

「はい!公務執行妨害ね?」と笑う。

そして、私たちに一礼して、

「後日、学校に感謝状を持って伺いますので…」と言って男を連行していった。


何とか無事ことは解決した。

1日早いけど、葵さんと高見さんと3人でクリスマスをすることにした。

お礼も兼ねてと、私は二人にささやかなプレゼントを送った。

すごく喜んでくれた。

そして、クリスマス当日。

今日は待ちに待った彼氏とのデート。

去年を思い出して、1年ほんとに色々あったなぁと思い出に浸っていた。

そこに「お待たせ」と現れた彼氏。

ずっと逢いたくて我慢していた愛しい人が目の前にいる。

心は弾み、思わず抱きついてしまった。

優しく抱き締められた。

「浮気したよね?」といきなり言われてドキッとした私。

速効謝った。「ごめんなさい‼」

「冗談だよ。高見さんから真相聞いたから。言うなって言われてたらしいのに無理矢理俺がね。無事で良かった!解決したんだよね?」と言いながら更に強く抱き締められた。

しばらくして、離れた私たちは、彼氏が予約してくれたお店に行った。おしゃれなお店。

そして、他愛ない会話をしながら食事した。

その後、店を出て夜の街を散歩する。周りはカップルばかりで、街灯やイルミネーションが、二人の距離を近づける。

公園のベンチに腰をおろした私たち。

信都さんが今年のプレゼントに選んでくれたのは可愛いイヤリングだった。

「ありがとーございます。私、何も用意できてなくて…」と言うと、

「忙しかったんだもんな?仕方ないよね。良いよ!香からキスしてくれたらそれで我慢する」なんていたずらに笑う、信都さん。

私は照れながらも、チュッと唇を重ねた。

「足りない」そう言われて、「キスってのは…こうやってするんだよ?」

甘くて深いキスをされた。

息が出来ないくらい長く、舌を絡ませてくる信都さん。

「…はぁ…ンンン、やっ、め…」思わず変な声が出てしまう。

「可愛い」そう言って優しくもう一度私の唇に唇を重ねてくれた。

甘くて最高のクリスマスになった。
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