ぬり絵 -花言葉でラブレター-
「ところでお前は今日何をやってたんだ?」
ふと気になって聞いてみる。
答えは大体予想つくけど
「んーとね
ぬり絵してー
お昼食べてー
ぬり絵してー
疲れたからぼーっとしてたら
柊也がきた」
…予想通りの答えだった……
「あっ柊也
いま『予想通りすぎるな…』
とか思ってたでしょっ」
「バレたか」
「バレたか、じゃないよっ
ぬり絵楽しーよ?
柊也もやってみなよ~
って柊也は不器用だから無理か~」
「っるせ」
「でもなぁ
ほんとに見てみたいな
死ぬまでには1回でも柊也が描いたぬり絵」
寂しそうな顔をして鈴菜は言った。
さっきまで楽しそうに笑ってたのに。
「鈴菜、お前っ……」
検査の結果が悪かったんじゃないか?
そう聞こうとした僕の声を遮るようにして
「まあっ
どうせヘタクソなんだから
見てもしょうがないだろうけどっ」
と、はじけるような笑顔で鈴菜は言った。
僕が言おうとした言葉の続きを
かき消すように