ぬり絵 -花言葉でラブレター-
「ところで?」
意味ありげに尋ねる鈴菜
「一緒にいた女の子はなぁに?
もしかして.........彼女?」
鈴菜の顔が少し曇ったのは多分、僕の気のせいだろう。
「違うよ
あれは、ただのクラスメイト。
僕の好きな人は他にいる」
「えっっ!
彼女じゃないの!?
好きな人いるの!?
誰!?柊也に私とあの女の子以外で友達がいると思えない!!」
お前、さり気なく失礼だよな。
「僕の好きな人は──、鈴菜だよ。
やっと、気づいた。」
鈴菜の息を呑む音が聞こえた。
「気づくの遅いよ。」
鈴菜は涙がまじった声で言う。
「嬉しい。ありがと。私も好きだよ」