ぬり絵 -花言葉でラブレター-

鈴菜はずっと泣いていた


いつも明るくて、元気な彼女と


同一人物とは思えないくらいに




「ねぇどうやったら


どうしたら伝えられる?


“ありがとう”を何回思えば伝わる?


抱きしめたって、言葉にしたって

伝わらないくらいのこのたくさんの感謝を」



「鈴菜、大丈夫だよ

鈴菜が笑ってくれるだけで

僕も、おばさんも幸せだ。


僕は昔から変わらず

鈴菜がここで

ぬり絵をしているのを見るのが

大好きだよ

頑張ってんだなって

次はどんなのを描いたんだろうって

すごく楽しみになるんだ」


僕の言葉を聞いて鈴菜は



「しゅう……や……」


と呟いて、嬉しそうに笑った。



「ありがと、柊也


また柊也に助けられちゃった」



「ん、気にすんな」



「柊也は相変わらず優しいなぁ」



そんなことない


と言おうとしたけど、


鈴菜が楽しそうに笑っているから


それもそれでいいかな


なんて





こんなふうに鈴菜と笑っていられる日々が


ずっと続けばいい。




終わりなんて


来なくていいんだ。




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