盲目
誰も気づかなくても
私は
生まれつき目が見えなくて、
緑色とか赤色とかわからなくて、
手に触れた物の感触はわかるけど、
でもやっぱり見えないから。
空って何?
暑いのは誰のせい?
光は痛いの?
私はどんな顔?
それを知ることができないのが
とてつもなく恐ろしくて、
怖くて怖くて死にたいって思った瞬間、
魔人が来て、
私に救いの手を差し伸べた。
「一つだけ願いを叶えましょう。その変わり、願いが叶ったらすぐ死ヌことになります。」
だから、私は
「すべてのモノを見て知りたい」
と願いました。
石のこと。
水のこと。
見えないモノもあるということ。
表現するということ。
すべて知りました。
最後に知ったのは自分が雑草だったということ。
そしてその草は枯れました。