第二部 母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
同棲の始まり

ホストを出てきた

 ヤマさんからあさひに連絡があって、
今週末には帰ってくるらしい。
 
 結局、初めは10日間の予定が、2週間
になって、それ以上伸ばせないギリギリ
まで、2人で旅行だって。

 あー、羨ましいな。
私は、八方塞がりで、悶々としてるのに。

 ずいぶん考えたけど、やっぱり答えが
出ないで、深いみどり色の海の底に沈ん
でいると、寧子が、

「なにー、まだ悩んでんの?
いつまで悩んだって答えが出ないんだから、
もう、動くか諦めるしかないんだよ!」

 そんなこと言ったってねー

「だし、諦められるなら簡単だけど、
ダメなんでしょ?
諦められないんでしょ?
だったら、答えは出てんじゃん!」

 確かに・・・

私は、決心した。

「あさひのアパートに行くよ」

「そー、そうでなくっちゃ!」

 寧子はほんとに喜んで応援してくれた。
そうと決まれば、あとは行動あるのみ。

 授業が終わるのを待って、ミチに頼んで
いったん家に帰って、パッキング。

 とりあえず、身の回りの物をスーツ
ケースに詰めて、ホストには


「しばらく勉強が忙しくなるから、
友達の家に泊まる」

ってメモを書いて、慌てて引き返した。
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