第二部 母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
 とうとう、道の反対側まで来て、あさひ
がリビングの椅子に座って、ギターを弾い
ているのが見える所まで来た。

 それを見てたら、あさひがとっても楽し
そうだったんで、しばらく見とれていた。

 10分位見とれてたかな?
あさひが急に視界から消えたんで、気が
ついた。

〈もしかしたら、図書館に戻るのかも
しれない〉

 私は、慌てて、あさひのアパートに駆け
寄った。

 ドアの前に立つと、部屋の中がバタバタ
と騒がしい。

〈やっぱり、図書館に戻る準備だ〉

 覚悟を決めて、あさひの部屋のドアを
Knock knock.

 その時の私の心の中は、嵐のように
荒れ狂い、目は、チカチカ星が瞬いていた。

"What? anybody there?”

 そう言いながら、あさひがドアを開けた。
次の瞬間、私はあさひと目が合って、

「こんばんは」

 自分でも、場違いの答えだと思ったけど、
とっさのことで、それしか答えられなくて。

 あさひは、とりあえず

「こんばんは」

って答えると、つぎに私が持ってる荷物
を見て、

「何事?」

 私は思わず、

「ホストに追い出されて、行く所が
ないの」

って、答えちゃった!
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