第二部 母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
 あー、めんどくさー。

「いいから、図書館に行こうよ!」

 そう言って、私は話を打ち切った。
確かに、あさひの言うことはわかるし、
彼女になれたら嬉しいけど、だからって
彼女=妻じゃないんだから、そんな面倒
くさいこと言ってないで、

好きだから付き合う。
好きだから抱かれる。

 それで良いんじゃないのかな?
その延長で、結婚があって、家庭を作る。
私はそう思いたいけどな。

 とりあえず、荷物を置いて、図書館へ。

 あさひの席は、6人掛けなのに、誰も
座ってないで、いつもの様に、あさひの
荷物だけが置きっぱなし。

 私も、あさひの前に座って、さっそく
勉強。

 普段ならすぐに飽きて、うろうろしたく
なるのに、今日は最後まで、ずっと集中
出来た。
 
〈これも、あさひのおかげだな〉

 図書館が閉まるんで、出口に向かうと、
この前のように、ケンジくん達が待ってて
あさひに話しかけた。

 でも、この前と違って今日は、あさひ
だけじゃなくて、私にも話しかけてきた。

 ひとしきりケンジくん達と話して、
そのまま、アパートへ帰った。
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