姉妹ケンカ







「私が先に奪った……?
逆恨みもいいとこだね?桜……」




「えっ………」

















元晴が急に倒れたと思ったら……

もう一生聞くことはないだろうと思っていた声が聞こえてきた

















「な、なんで生きて……っ!」






「あのナイフね……
切れないナイフなの

こんなことがあると思って
すり替えといてあげたの


それで、これが本物」



















椿は、ニコリと微笑むと
元晴の胸に突き刺さっているナイフを取り、血のついているナイフを私に見せてきた















「…………っ…!」




「あっ、どこ行くのー?」


















私は、椿から逃げ出した

一刻も早く、このビルから出ようと……



でも、逃げられなかった



椿は、昔から走るのが速かった

陸上部に勧誘されるくらい速かったのだ



そんな椿に私は勝てるわけもなく
すぐに追いこされ、目の前にある出口に立たれ、行く手を阻まれた
















どこか、どこかに逃げないと……っ!

このままじゃ確実に殺される……!



















私は、周りを見回して

上に上がる階段を見つけ、上った



上がっているとき、何度か非常口を見つけたが全て鍵が掛けられていて出られなかった
















「ねぇ、どこまで逃げるのー?
鬼ごっこなら、私得意だって知ってるよねー?

すぐに捕まえちゃうよー?」



















後ろから、声が聞こえてくる

私は、気づいたら屋上まで来ていて
屋上のドアを開け、中に入った




















屋上に逃げる場所はない

だから、もう逃げるのはやめる!


椿と戦うしか道はない
















「もうお終い?
じゃあ、さっきの続きしようか」




「殺してやる…っ!!!!」



















私は、笑顔を浮かべナイフを私に向けてくる椿に向かい襲い掛かった






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