寝ているカノジョ
集合場所の駐車場には7台の
借り切りバスが待機していた。
生徒たちは重い荷物を持って、
どんどん駐車場へやってくる。
俺は引きずってきたキャリーバックを
バスの下の荷物入れに積み込み
バスに乗り込んだ。
クラスメートの3/4はもうバスの中にいて
楽しそうにわいわい話していた。
仁奈はまだ来ていないようだ。
俺は同じ班の岡野の横にどさっと座った。
「おはよう」
岡野はいじっていたスマホをポケットにしまいながら言った。
「おう」
岡野とはあまり話したことがなかったけど、
野球部で顔の広い奴、ということだけは知っていた。