寝ているカノジョ
「仁奈ちゃん!」
悠希が叫んだ。
「こっちこっち、俺の隣だよ~」
俺は仁奈の顔を見て、息をのんだ。
普通じゃない…
くぼんだ目…
いつものようにキラキラしていない。
顔は青白く、病人のよう。
歩き方もふらふらして、今にも倒れそうだ。
「じゃあ、全員揃ったわね」
担任はそういうと、自分自身も席についた。
おい、担任、気づいてねーの?
仁奈、明らかに体調悪そうなんだけど。
仁奈は悠希の隣に座ったので
俺からは仁奈の腕しか見えなくなった。
どうしたんだ?仁奈…