寝ているカノジョ




バスの中では基本、

爆睡する俺だけど、

今日は仁奈が気になって寝られない。



「ぎゃはははははは!
はーい、仁奈ちゃんの負け~」



仁奈はあんなに具合悪そうなのに

悠希とその周辺の奴らは

仁奈をゲームに参加させていた。


寝かせてやれよ、あいつら。




高速道路の途中で、

バスはサービスエリアに入った。


「トイレ休憩を15分とります」


担任のその言葉に、みんな財布を持って、席を立つ。

売店でお菓子やジュースを買うんだろう。


「瀬野、お前も行くか?」

岡野も財布を右手に、俺に声をかけた。


仁奈の方を見ると、悠希に腕を引かれ

バスから降りていくところだった。


「おう、俺も行く」

俺は岡野にそう答える。

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