寝ているカノジョ
~♪
その時、仁奈のスマホが鳴った。
「あ、悠希くんから電話だ!」
急いで電話に出る仁奈。
「もしもし?あ、うん、今から行く。
後でね。ばいばい」
仁奈はそう話しながら階段を登りだした。
ダメだ!仁奈!
絶対行かせねーよ!
嫉妬…
独占欲……
我慢の限界………
ごめん、仁奈。
もう、優しくできねーよ!
俺は仁奈の腕を掴んで
階段をかけ上がる。
そのまま無我夢中に
仁奈の手を引いて走った。
前にもあったなこんなこと。
仁奈と悠希がキスしてた時だった。
「光くん…」
俺の部屋の前に着くと、
仁奈が少し怯えたように俺を呼んだ。
俺は答えなかった。
正確には、答える余裕がなかった。
震える手で、部屋の鍵を急いで開ける…