寝ているカノジョ


多分、仁奈と出会ってからずっと

俺が我慢してたのは、

悠希と仁奈が恋人同士のようだったこと。


「ご、ごめんなさい…」


仁奈は悪くないのに…

悠希がただ、色々してただけなのに、

怒りの矛先は、

俺のものにならない仁奈に向いてしまった…




もう…いい加減…俺のものにしたい……



俺は仁奈の首筋に顔を埋める。

唇と一緒に、

俺の乱れた息が仁奈の首筋にかかる。


「やっ…」


ぐすんっ


「…許して…よ…」



俺ははっと顔を上げて、仁奈を見た。


泣いていた。




やばい。


俺の爆発寸前だった独占欲が

冷めていくのがわかった。


仁奈を泣かせた。

俺の身勝手で。


「仁奈。ごめんな」


本当にかっこわるいな、俺って。
< 137 / 224 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop