寝ているカノジョ
多分、仁奈と出会ってからずっと
俺が我慢してたのは、
悠希と仁奈が恋人同士のようだったこと。
「ご、ごめんなさい…」
仁奈は悪くないのに…
悠希がただ、色々してただけなのに、
怒りの矛先は、
俺のものにならない仁奈に向いてしまった…
もう…いい加減…俺のものにしたい……
俺は仁奈の首筋に顔を埋める。
唇と一緒に、
俺の乱れた息が仁奈の首筋にかかる。
「やっ…」
ぐすんっ
「…許して…よ…」
俺ははっと顔を上げて、仁奈を見た。
泣いていた。
やばい。
俺の爆発寸前だった独占欲が
冷めていくのがわかった。
仁奈を泣かせた。
俺の身勝手で。
「仁奈。ごめんな」
本当にかっこわるいな、俺って。