寝ているカノジョ


「待て。俺の話が終わってからにしろ」




仁奈、今日二人きりになれたら、

話したいことがあった。


今、俺の初恋があっけなく終わるなら、

その前にこの話したかったこと

聞いてほしい。







「好きだ、仁奈」







静かな部屋に

俺の言葉は寂しく響いた。



仁奈は何も言わなかった。

ただ驚いた顔で

俺のことを見つめていた。




あぁ、終わった。







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