寝ているカノジョ
「うそ?」
「うそなんて言わねーよ」
ほら、早く言えよ、
悠希とお前のこと。
「光くんは、私のこと…好きなの?」
「あぁ」
さっさと、ふれよ、俺のこと。
「光くん…」
「で?言わなきゃいけないことって?」
「私も好きなの!」
あー、はいはい。
悠希のことが好きだなんて、
俺に報告してくれなくたっていいのに。
「だから何?」
「何って…」
~♪
また、仁奈のスマホが鳴り出した。
考えずとも、悠希からだろう。
「ほら、さっさと行けよ。」
「行かないよ」
仁奈はそう言うと、スマホの電源を落とす。
「何してんの?」
「だって私、悠希くん、苦手だもん」