寝ているカノジョ
*
「おーい、起きろー」
誰かにそう言われて
俺ははっと目を開ける。
「え?仁奈?」
「ごめん、違うわ」
顔を上げると着替えもばっちり済ませた岡野が
にやにやと俺を見ていた。
「城井からのメモならあったぞ」
俺は岡野の手に握られていた
ホテルのメモ用紙をひったくった。
そこに書かれていたのは…
『おはよう。光くんの寝顔かっこよかったな。
また朝食で会おうね。 城井』
実は初めて見た…仁奈の字。
意外…きれいな斜め字だし。
「お前、結局城井とヤったのかよ?」
山下が洗面所から顔を出して、そう聞いてきた。