寝ているカノジョ





「おーい、起きろー」


誰かにそう言われて

俺ははっと目を開ける。


「え?仁奈?」

「ごめん、違うわ」


顔を上げると着替えもばっちり済ませた岡野が

にやにやと俺を見ていた。



「城井からのメモならあったぞ」


俺は岡野の手に握られていた

ホテルのメモ用紙をひったくった。



そこに書かれていたのは…

『おはよう。光くんの寝顔かっこよかったな。
 また朝食で会おうね。 城井』


実は初めて見た…仁奈の字。

意外…きれいな斜め字だし。


「お前、結局城井とヤったのかよ?」

山下が洗面所から顔を出して、そう聞いてきた。

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