寝ているカノジョ
「え!ちょっと城井ちゃん?どこいくの?」
女子たちの問いかけにも答えず、
仁奈はパンを握りしめたまま、
早歩きで部屋から出て行ってしまった。
「どしちゃったんだろうね?トイレかな?」
「私見てこようか?」
まずい…
絶対俺のせいだ…
あれ?でも、何がいけなかった?
やっぱり、
付き合ってるって言ったこと…?
もしかして、仁奈は、俺と両想いでも、
付き合うとかはしたくなかったとか?
それなら、俺はやばいことをしてしまった…
「いや、いい。俺が見てくる」
ほとんど手を付けていない朝食を残して、
俺は席を立った。
部屋を出ると、トイレを入り口に立っている仁奈の姿が見えた。