寝ているカノジョ
仁奈の顔は昨日の夜の
告白の時のように真っ赤だった。
「…っ」
「どした?熱あんの?」
「違う、光くんのせい」
「ん?」
「光くんのせいで、ドキドキするんだもん…」
え?
それっていいことなのか?
それとも、悪いこと?
「光くん、前までは何もしてこなかったのに、
今朝から急に…」
仁奈は手でパタパタと顔をあおいでいる。
かわいい。
「悠希くんに、私のこと触ったら
殺すかもとか言ってたし、
荷物持つとか、席隣とか…」
仁奈は頑なに俺と目線を合わせない。
俺はこんなにも、仁奈のこと見つめてんのに。
「少女漫画のヒーローみたいで、
かっこよすぎて…私死にそうなの!」