寝ているカノジョ
何だよそれ?
「俺、少女漫画読んだことねーし。
まぁ、仁奈が死にそうなら、
もう何もしねーけど」
はいはい、俺が恥を捨てて
恋愛ドラマみたいなことをしたら、
仁奈は死にそうなんだな。
俺と付き合いたくもない。
そういうこともして欲しくない。
じゃあ、俺たちの関係は
今までと変わんねーってことか?
「そういう意味じゃないのに…」
仁奈は俺の顔をちらっと見た。
「お前さ、本当に俺のこと好きなわけ?」
「うん!」
急に目を輝かせる仁奈に、俺はドキッとする。
そして、ふと頭に浮かんだことを口にした。
「でも、悠希とキスしたときは嬉しそうだったのに、
俺がキスしたときは怒ってただろ」
「それは…」