寝ているカノジョ


「とにかく」

仁奈はピシッと背筋を伸ばした。

「光くんはかっこよすぎてドキドキしちゃうの!」


何だよそれ…

俺にドキドキするって…


俺だってお前にドキドキしてんだぞ。

そんなこと言えねーけど。




バスが走り出して、クラスの奴らは

それぞれ、お菓子を食べたり、ゲームをしたり、

騒がしくしていた。


俺と仁奈はというと…


「……」

「……」


お互い何も話さない。

まぁ、俺たちは前からそんなに話す仲じゃなかったしな。


「ねぇ~城井ちゃんと瀬野君、
付き合ってるってまじなの?」

前の席に座っていた女子たちが、ひょっこりと頭を出した。

「……」

えっと…


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