寝ているカノジョ
いつも守りたいのに…お前のこと
乗り気じゃなかったが
俺は悠希に電話をかけ直した。
プルルルルルル…
『光!やっと出たし~』
悠希は人込みの中にいるのか、
ガヤガヤという音で聞こえにくかった。
『あのさぁ、仁奈ちゃん、消えたんだよね』
「はぁ?」
どういう意味だよ。
あいつら同じ班だろ?
『俺らの班の女子もいないの。
光、何か知らない?』
「俺は、知らねーけど…」
『もう2時間も探してるし、他のクラスの奴らとか
みんなに聞いたけど、誰も見てないって言っててさ…
電話もずっと鳴らしてんだけど、
全然で出なくて』
「俺も探す」
『見つけたら連絡してね。
先生に別々に行動してるのバレたら
やばいらしいから、早く見つけないと…』
俺は電話を切って、すぐに仁奈に電話をかける。
………。
……出ない。
何してんだよ、仁奈。