寝ているカノジョ


「悪い、俺、悠希の班の女子探してくる。
お前ら自由に回っといて」

俺は立ち上がって班のメンバーにそう言った。


「あたしたちも探そうか?」

女子の一人が心配そうに俺を見る。

「いや、大丈夫。
もし先生に出くわしたら、俺だけトイレ行ってるとか
適当にごまかしといて。
じゃ、頼むな」







俺は走った。

とにかく走った。

こんなに広くて、人も多い場所で

俺一人が走り回っても

見つかるわけないと

心のどこかではそう思っていたけど…。



「光!」


誰かが俺のことを呼び止めた。


「悠希!見つかったか?」


悠希と悠希の班の男子二人が、

息を切らしながらこちらへ走ってくる。


「ううん。っていうか、やばいかも」



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