寝ているカノジョ


「とにかく、隠れられそうなとこは
見て回ろう」


俺たちは二手に分かれて

また走り出した。






「はぁ、はぁ……
なぁ、光」

体力も限界がきて、

俺と悠希は息を切らしながら

人込みの中を歩いていた。


「何だよ…」

「仁奈ちゃんのことで…
色々ごめん」


俺は一瞬足を止めた。

そして、悠希の方をまじまじと見つめる。

「は?何が?」

「俺…仁奈ちゃんにふられてんのに
お前にあの子、とられたくなくて
色々しちゃったじゃん…?」


悠希は少しうつむいて、もじもじしながら

話していた。

「だから、ごめん」


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