寝ているカノジョ

そう、あの事件以来、俺は仁奈と

連絡を取ってない。



もとはと言えば俺の問題で

仁奈をひどい目に遭わせてしまった。

それが何となく気まずくて、

仁奈に話すことも見つからず…


「は～？お前一応、彼氏だろ？
見舞いくらい行けよ！」


岡野が信じられないという顔で

俺の鞄をあさり始める。


「何すんだよ…」



岡野は俺のスマホを鞄から見つけ出し、

断りなく画面に指を滑らす。



プルルルル…


スマホから聞こえる通話音。


「おい！俺のスマホで勝手に何してんだよ」