寝ているカノジョ
「三つ隣の駅」
悠希はそう言いながら、券売機に
硬貨を入れ始める。
「買い物ならここで出来るだろ。
こんなに店たくさんあんのに」
「仁奈ちゃんが欲しいものはないからね~
ほら、早くして~、光」
*
わざわざ電車まで乗ったのに、
最終的に着いたのは本屋だった。
誰でも名前を知ってるであろう、大きめの書店だ。
「おい、悠希…」
「本屋ならどこでもあんだろって言いたい~?」
「……」
俺は少し冷静になってその本屋の中を見回した。
なんだか…女子多くね?
よくよく見てみると、
奥の方でたくさんの人が
並んでいるのが分かった。
なんだ?