寝ているカノジョ
*
あれ以来、仁奈とはほとんど話さなかった。
それなのに、毎日あいつの顔を見るたびに
俺の中でぼやけていた感情が
少しずつはっきりとしたものになっていった。
*
「あれ?仁奈ちゃん?お眠り期なのに起きてるじゃ~ん」
最近いつも寝ていた仁奈が今日は起きているのに気付いて
悠希が休み時間に俺の席まで飛んできた。
悠希は相変わらず仁奈に狙いをさだめていて
連絡もよくしてるらしい。
最近は、仁奈ちゃんとか呼ぶようになって。
「うん… 今日は日直当番だから」
仁奈は日誌を書きながら答えた。
「まじか~。誰と?」
「えっと…。光くん…」