寝ているカノジョ
どこを探しても仁奈の姿は見当たらなかった。
走って疲れて暑かった。
俺は公園の木陰に腰を下ろした。
仁奈、もう帰ったかな…
そうだ、電話すればいいのか!
なんで気づかなかったんだろ…
電話をかけようと
スマホを取り出した時、
後ろから声がした。
なじみのあるその声。
俺は立ち上がって声がする方へ足を運ぶ。
「だから俺言ったじゃん?光はやめとけって」
「悠希くっ…」
夏の暑いその日に、俺は凍り付いた。