寝ているカノジョ


俺はゆっくりと顔を上げた。


「光くん、しばらく会えないね。
また二学期に学校でね」


そう言って仁奈は優しく微笑んだ。




俺も言いたい。

俺だって言いたい!




今日の仁奈は本当にかわいかった


いつもかわいいけど


いつもよりかわいかった




「ばいばい、光くん」


仁奈は俺に背を向けて

バスの方へ歩きだした。




言わなきゃ…

今日の仁奈はいつもよりかわいかったって…!


「仁奈!」


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