寝ているカノジョ
悠希だ。
嬉しそうに仁奈の寝ている顔を見つめている。
また、悠希のやつ、
仕組んだんじゃねーのか?
仁奈とのデート以来、悠希のことは
もう信じられなくなった。
あれ以来、あいつと全く話していない。
*
次の日から、俺は学校に行く楽しみがなくなった。
一学期は一日中、仁奈の隣にいれることだけが
学校に行く意味だった。
仁奈はずっと寝てるし、起きてても
これといって会話はしなかった。
でも、あいつの隣にいて、
寝ているあいつを見るだけで、
満たされた気持ちになったから。