いのち短し 恋せよ 少女‼︎
1.瑛徳学園の日常
「柚乃(ユノ)!おっせぇぞ!」
「待って待って‼︎」
ドタバタ ドタバタ…
朝から、部屋を行ったり来たり…
なんて忙しいんだろう!
せっかくセットした髪が、もうピョンピョンと跳ねてきている。
「柚乃ー‼︎」
「ご、ごめんなさーい‼︎」
玄関先で私の名前を呼んでいるのは、幼馴染の 澤田 千裕(サワダ チヒロ)。
今日は、バスケ部の朝練があるのに私を待っていてくれている。
「ハァ…ハァ……ご、ごめんね!」
「おっせぇ。ったく、何分待たせんだっつーの。」
やっと、家から出る。
千裕は、『しゃーねー。』とか言いながらも律儀に待っていてくれる。
ちょっと、言葉は乱暴だけど根は優しいんだよね。
「じゃ、行くぞ。」
「うん!」
こうしている場合じゃない。
千裕が朝練に間に合うように、学園に急がなければ!