いのち短し 恋せよ 少女‼︎
「ってか、俺たち付き合ってねーし‼︎」
「一緒に登校して、一緒に昼飯を食べても、まぁだ付き合ってないの〜?」
「えっと…桑野君、私達は本当に付き合ってないよ?」
誤解されてるみたいだから、とりあえず訂正しておく。
でも、よく考えてみたら、千裕と私ってずっと一緒にいるような気がする。
気が付いたら、側にいるし…。
まぁ、家がお隣さんだからっていうのもあるけれど。
「へー、そうなんだー。んじゃ、チャンスって事だよね?」
「なっ⁉︎」
グイッと引っ張られて、気が付いたら桑野君の腕の中。
あれ?
「桑野君…顔……近いよ?」
「うん、近づけてるからね。」
「お前なぁ…いい加減にしろよ‼︎」
桑野君ったら、千裕が怒った途端に笑い出すんだから。人が怒ってる光景って、そんな面白いかな…?
って思っていると、ふと何か忘れている気がした。
あれ…私、なんか忘れてるよね?
えっと…
「あ、そうそう。なぁ、千裕。」
「何だよ!また、変な事したら怒るぞ!分かってるか‼︎」
「はいはい。そう、熱くなんなよ。さっき、バスケの顧問がお前を探してた。」
あ。
それだ。
「ヤッベェッ‼︎」
朝練はとっくに始まってる時間。
千裕は、『また、後でな!』と告げると走って行ってしまった。