いのち短し 恋せよ 少女‼︎
「あーあ…行っちゃったねぇ。」
「足早いなぁ…いーなぁ…」
まるで、風みたいに走って行った千裕。
私、足が遅いから凄く羨ましい。
運動神経抜群な千裕と、運動音痴な私。
一緒に育ってきたはずなのに、どうしてこう差が出てしまうのかな…
「ねぇ、柚乃ちゃん。」
「何?桑野君?」
桑野君が頬っぺたをツンツンしてくるから、私もツンツンし返すと、桑野君は困ったように笑った。
「柚乃ちゃんに、恥ずかしいっていう気は無いんだね。」
「ん?」
「こんな顔が近くっても、恥ずかしいって言わないからさ。」
確かに近い。
鼻の頭が当たりそうだし、私の視界は上を向けば桑野君で覆われてしまう。
ドキドキしないのは、何故?
「分かんない。けど、ビックリはしてるよ?」
「へぇ〜。やっぱり、柚乃ちゃんって不思議な子だよね。」
「不思議…なのかな?」
「そう。君は不思議っ子ちゃん。でも、俺はそんな君がすk「何をやっているんだ?朝っぱらから。」
桑野君の声に被さって来たのは…