P.S 母さん、愛しています。
「財布の残金75円しかねぇって」


「75円!?生きれんの!?」


「さぁな、何とかするんじゃね」


俺には興味もない話。

あんな呆れ返るような行動起こして出て行ったヤツに気を遣う必要もねぇ。



「はー君、そんな冷たい言い方しなくても……」


「いーんだよ!それで!」


言い方だけでなく、冷えたLINEも送ったんだ。

今頃母親はそれを見て、俺のことを冷めた息子だと思ってることだろう。



「はー君とお母さんって不思議な関係だね」


「何が?」


「離れてるのに、まるで相手のこと何もかも知ってるみたいに付き合ってる。歳いった夫婦みたい」


「ふっ…!ば、バカッ!マヌケなこと言うなっ!」


何で俺があの愚か者と夫婦扱いされなきゃなんねーんだよ。


「まぁ、これはあくまでも私個人の意見。長年2人の関係を見てきてるからこそ言えるって感じだね!」


カバン入れさせて…とカゴの中に自分の通学バッグを押し込む。


莉央のこんな遠慮のないところは嫌いじゃねぇ。

むしろ、きっと好きなんだとも思う。


でも……


「俺は母親のこと、実際何とも思ってねーよ。単にウザいLINEが流れてくるのがメンドーなだけ!」


「またまた〜!そう言って嬉しいくせに!」


きゃははは…!と莉央は笑う。

生存確認のように送られてくるLINEは、ある意味安心感には繋がるでしょ〜?と付け加えた。


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