P.S 母さん、愛しています。
前みたいに素直になったらー?と笑い飛ばす。

こういうところが莉央と母親は似てる。

だから、俺はこいつのことが憎めねぇのかも。



「おばちゃんにLINEしたい!」

「やめとけ。小説のネタにされるだけ」

「いいじゃん!面白そう!」

「ダメ!ゼッテー教えねー!!」


ぎゅっとポケットの中を握りしめた。



「はー君ってば、独占欲強いねー」

「誰が独占なんかするかよ!単なるムシ行動だ!」


面白半分に最近ちょっとからかってはいたけどな。


「おばちゃんにもう一度会いたい。はー君、会いに行こーよ」

「やなこった!俺は会いたくもねぇって言ったろ!」


裏切り者の顔なんて見るもんか。


「そんなこと言ってたら一生会えないよ⁉︎ いいの⁉︎ 」

「上等!死に顔見れればラッキーな方!」

「おばちゃんカワイソー」

「どこがだよ!勝手に生きて十分幸せそうじゃねーか!」


あのお気楽ぶりのどこ見て言うんだ。


「はー君、もっと素直になりなよぉーー」

「俺は十分過ぎるくらい素直に生きてるよ!」


母親も父親もいねーのと同じ。

俺はこれからも自分だけを頼りに生きてくんだ。



「やっぱ写メして送ろっ⁉︎ 」

「やめろ!それだけはゼッテーしないっ!!」


こっちから寄ってくなんてナシだ。

そんなの甘ったれのガキがやることだ!

親から縁の切られた息子の俺は,今更親なんて求めねぇ。

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