P.S 母さん、愛しています。
(何で……?どうして陽希が………?)
溢れて止まらない涙を、瞼をバタつかせながら読み耽る。
もう一度、最後の文章を目にした。
『先生の本が1日も早く書店に並ぶのを待ってます!最高傑作への近道は書き続けること!
応援してます。これからもずっと。
だから………』
「だから……ゼッタイに筆を折らないで………」
ぐっ……と声を殺すように手で押さえ込んだ。
こんなどうしようもない母親に、届けてくれた言葉の意味。
『お母さん、頑張って!行ってらっしゃい!!』
晴れやかな顔で見送られた。
あの時はまさか、こんな日が来るとは思ってなかった。
順調に書いていけると思ってた。
幾つも本を出して、胸を張って生きていけると信じてた。
躓く度に陽希の顔と言葉を思い出した。
そして、また今日、励まされてる。
『筆を折るな!書き続けろ!もう一度、最高傑作を世に生み出せ!!』
諦めたらそこで終わり。
何も前に進まない。
私は親としての責任も、娘としての愛情も捨てた。
言い訳もできない世界に飛び込んで、ただひたすらにがむしゃらに書いてたつもりだったけどーーー
本にならないのなら成功じゃない。
私は、努力が足らなかったーーーー。
何を中途半端にやってたんだろう。
何の為に作家だけに専念することにした?
自分の人生を生きる為。
その為に、陽希のことも捨てたんだ。
溢れて止まらない涙を、瞼をバタつかせながら読み耽る。
もう一度、最後の文章を目にした。
『先生の本が1日も早く書店に並ぶのを待ってます!最高傑作への近道は書き続けること!
応援してます。これからもずっと。
だから………』
「だから……ゼッタイに筆を折らないで………」
ぐっ……と声を殺すように手で押さえ込んだ。
こんなどうしようもない母親に、届けてくれた言葉の意味。
『お母さん、頑張って!行ってらっしゃい!!』
晴れやかな顔で見送られた。
あの時はまさか、こんな日が来るとは思ってなかった。
順調に書いていけると思ってた。
幾つも本を出して、胸を張って生きていけると信じてた。
躓く度に陽希の顔と言葉を思い出した。
そして、また今日、励まされてる。
『筆を折るな!書き続けろ!もう一度、最高傑作を世に生み出せ!!』
諦めたらそこで終わり。
何も前に進まない。
私は親としての責任も、娘としての愛情も捨てた。
言い訳もできない世界に飛び込んで、ただひたすらにがむしゃらに書いてたつもりだったけどーーー
本にならないのなら成功じゃない。
私は、努力が足らなかったーーーー。
何を中途半端にやってたんだろう。
何の為に作家だけに専念することにした?
自分の人生を生きる為。
その為に、陽希のことも捨てたんだ。